こんにちは。GunosyTechLab MediaML 所属の suchida です。普段の業務では、記事配信アルゴリズムの開発を行っています。ここ最近は A/B テストの荒波が収まり、穏やかに開発を進めています。本ブログでは社内勉強会の一つである、"学んだことLT会"についての紹介とそこで取り上げられた本・記事の紹介を行いたいと思います。
学んだことLT会とは?
概要
"学んだことLT会"とは、新卒を中心とした若手メンバーが集まって開催している「業務内外で学んだことをフランクに共有しよう」という会です(通称:20〜22卒LT、雑LT)。
隔週に一度のペースでオンライン開催しており、10名程度のメンバーが各回2名ずつ持ち回りで資料作成と発表を行っています。ただ、各自の業務との兼ね合いであったり、発表したいことが特にない場合はスキップも自由*1、といったゆるめな会となっております。 基本的に弊社の勉強会では、資料作成の時間は業務時間内に割り当てて良いということになっているので、各自が15分〜30分程度の発表資料にまとめています。
背景
LT会開催のきっかけは、20卒入社メンバーが行っていた『Clean Code アジャイルソフトウェア達人の技』という本の輪読会でした。 その輪読会の終了後にメンバーの中で、下記のような意見があり、LT会の発足に至りました。
- 何らかの輪読会や勉強会を継続したい(同期メンバーとの関わりを保つ意味でも)
- もっと広く「協力して学びブーストする」場が欲しい!!
- 1冊の本を順番に説明していく系は自分はもういい(途中で飽きる・義務感が強い)
コンテンツ
発表内容には特に制限*2がなく、技術ブログ・本の紹介であったり、資格の受験報告、アプリ開発してみた、など多岐に渡ります。
直近1年分のコンテンツを以下にまとめました(古い順)。
- マスタリング Vim を読んだ
- Go 言語による並行処理を読んでいる :golang:
- 板坂元「考える技術・書く技術」
- Federated Learning でプライバシーに配慮した機械学習を
- 放送法から学ぶ、ニュースアプリの在り方
- diagram as code
- 社会人になったが税金の計算がわからない
- 社内用管理画面で使った技術 ( GraphQL 編)
- [試して理解] Linux のしくみ を読んだ
- Go 言語による並行処理をだらっと読んでいる :golang: (3章)
- 『論より詭弁〜反論理的思考のすすめ〜』で学ぶ言葉の黒魔術
- 平尾昌宏「ふだんづかいの倫理学」
- ライトニング財務
- ユニコーン企業のひみつ を読んだ
- 「BPO と放送の自由」を読んだ
- k8s の RBAC について
- ノンデザイナーズ・デザインブック
- しっかり学ぶ数理最適化を読み始めた
- SQL アンチパターンを読んだ
- 『コンパイラとバーチャルマシン』一章:コンパイラの概要
- 簿記3級ってだいたいこんなかんじ
- 松島斉『ゲーム理論はアート〜社会の仕組みを思いつくための繊細な哲学〜』
- 『分析者のためのデータ解釈学入門』バイアス部分のみ
- オークションについて 雑記
- データストアのメタデータ管理ツールについて
- 『メディアリテラシー 吟味思考(クリティカルシンキング)を育む』
- Amazon Athena のパフォーマンスチューニング Tips トップ 10
- DynamoDB のメモ
- Go 1.18での Generics に触れてみる
- AWS SAP ってだいたいこんなかんじ
- 『セルフトークマネジメント入門』
- Kaggle で銀メダルを取りました。〜上位解法を紹介〜
- Airbnb の品質工学へのマイクロサービスアーキテクチャの旅 [ブログ邦訳]
- 「データ視覚化のデザイン」を読んだ
- 要約モデルで ONNX + モデル量子化試してみた
- HTTP/3 が標準化されましたね
- 所有権と参照カウントについて
- Lean Analytics を読んだ
- 生存分析をちょっとだけ説明してみる
気になる本・記事をご紹介
このセクションでは、実際にLT会で取り上げられた書籍やブログ記事をまとめています。
01 - 分析者のためのデータ解釈学入門 : データの本質をとらえる技術
- データ分析1年生のための基礎をざっくり俯瞰で知ることができる本
- 統計的な知識 + やりがちなミスやバイアスについて + モデリング概要
- カラーの本がアガる人におすすめ
02 - ユニコーン企業のひみつ
- ユニコーン企業のソフトウェアづくりと働き方を解説
- 1〜2日で読めるぐらいの量と難度
- 漠然と強固な組織論を知るのには良さそう
- あくまで筆者が Spotify にいたタイミングでの仕事の進め方・組織のはなし
03 - SQLアンチパターン
- RDB のデータベース設計、クエリの書き方、アプリケーションからの利用について、代表的なアンチパターンとその解決策について
- select 文は書ける程度の前提知識で読める and この本の内容が分かっていれば変な設計はしなさそうなのでとてもいい本だと思います
04 - データ視覚化のデザイン
- 達人が教えるビジュアライゼーションの極意
- 各事例の納得感がすごい
- matplotlib でも頑張ったらできるみたい!
「データ視覚化のデザイン #1」をmatplotlibで実装する - Qiita
05 - Amazon Athena のパフォーマンスチューニング Tips トップ 10
- Athena のチューニング手法に関するブログ
- 実際に Athena で試してみると、高速化具合が身に染みる
- 既に presto のアップデートによって解決されている(高速化につながらない)情報もある様子
06 - Airbnb’s Microservices Architecture Journey To Quality Engineering
- Airbnb のアーキテクチャの品質改善の道のりを実践的な教訓を交えて紹介してあるブログ
- サービスが成長するにあたり、複雑化してしまったシステムをなんとかしたいというモチベ
- マイクロ+マクロサービスなアーキテクチャに移行しつつあるらしい(マイクロサービスもモノリスも適切なものを用いつつ、サービスごとの関心事で明確にレイヤーを分離している感じ)
おわりに
発表コンテンツには実務でもタメになる内容が多く、振り返って資料を参照したりすることもしばしば。また、今回取り上げた書籍以外にも興味を引くものが多々あり、自分がちょっと気になってた本を紹介していたりして、発表内容をきっかけに実際に本の購入に至ったこともあります。
"学んだことLT会"が開催されてから2年ほど経過しますが、この会のおかげで「新しいことを学んでみよう」「深く勉強をしてみよう」といった各自のモチベーションに繋がっており、個人とメンバーの成長に繋がっていると感じています。
ご覧いただきありがとうございました。このブログを読んでいただいた方もぜひ開催してみては如何でしょうか!!